大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和26(れ)624 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人野口政治郎の上告趣意第一点及び第二点について。

論旨は、本件の公判請求書に年月日の記載がないから、公訴の提起は無効である

というのであるが、記録を調べてみると本件の公判請求書には「昭和二十三年十一

月十五日」と記載されている、且つ仮りに公判請求書にその作成年月日の記載を欠

いていたとしても、その一事だけを以てこの公判請求書又はこれによる公訴の提起

を無効のものということはできない。(公訴が時効にかかつているか否かは、所論

のように公判請求書作成の時によつて定まるのではなく、これを裁判所が受理した

日によつて決せられるのであるから、時効の問題を理由として、作成年月日の記載

を欠いた公判請求書を無効ということはできない。)論旨は本件公訴が無効である

ことを前提として、原判決の違法又は違憲を主張するものであるから、そのいずれ

の点も採用することができない。

同第三点について。

被告人の公判廷における自白が憲法三八条三項及び刑訴応急措置法一〇条三項に

いわゆる本人の自白に含まれないことは、しばしば当裁判所の判例(昭和二三年(

れ)第一六八号同年七月二九日大法廷判決等)に示されているとおりである。しか

るに本件第一審判決は被告人の第一審公判廷における供述を証拠として判示事実を

認定したものであるから、所論のような違憲も違法もない。しかも原判決は、所論

のように第一審判決を肯定したものではなく、自ら審判を行い、被告人の原審公判

廷における供述を証拠として犯罪事実を認定したものであるから、これ亦所論のよ

うな違憲も違法もない。論旨は理由がない。

なお記録を訓べてみても本件に刑訴四一一条を適用すべき事由は認められない。

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よつて刑訴施行法三条の二、刑訴四〇八条に従い主文のとおり判決する。

この判決は裁判官全員一致の意見によるものである。

昭和二十六年七月一七日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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